代理によるお為ごかし症候群?

2007年9月 6日

代理によるミュンヒハウゼン(ミュンセハウゼン)症候群(Munchausen syndrome)という病気がある。

ミュンヒハウゼン症候群とは、自分に周囲の関心を引き寄せるために虚偽の話をしたり、自らの体を傷付けたり、病気を装ったりする症例の事(Wikipedia)である。このミュンヒハウゼン症候群のなかでも、自らの体を傷つけるのではなくて、他人(おもに子どもや親、配偶者など)の体を傷つけることで同じ効果を狙うのが、「代理によるミュンヒハウゼン症候群」と呼ばれている。

こういった事例には私は当たったことはないし、来てほしくもないし、たとえ来てもらっても対応がいだが、似たようなことを感じることはある。「代理によるお為ごかし症候群」である。

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お為ごかし(お為倒し)とは、表面は相手のためになるように見せかけて、実は自分の利益をはかること(広辞苑)。
代理によるお為ごかし症候群は、「第三者のため」に見せかけて、実は自分の利益をはかること、と考える。

具体的には、「子どものために離婚しない」「子どものためには離婚したほうがいい」「子どもの将来のために、一流幼稚園(小学校・中学・高校・大学・企業)にいれるようにしなければと思って必死で頑張っているんです」「ここで親切にしないのが彼のためだと思って」等々。

厄介なのは、これらの主張は社会的には妥当性があることで、確かに見方によっては「子どものために離婚しない」は、社会的に支持される考え方の一つであって、なかなか反論が難しいこと。反論しても水かけ論にしかならない。

そしてもっと厄介なのは、影の<真の>目的が「本人にさえも」わからなくなってしまうことだ。
一方の当事者は自分の真の目的地を誤解し、他方の当事者は相手が誤解した目的地を真に受けて<話し合い>をして、どこか意味のある着地点に辿りつくはずがない。

相手が語る表面上の目的が正しいものとして議論をしても、すべての議論は無駄になる。
その上、代理によるお為ごかしを神聖なものとしてとらえているので、決して妥協しない。

代理によるミュンヒハウゼン症候群の患者は決して多くないが、代理によるお為ごかし症候群の患者は山のようにいる。

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2007年9月 6日 11:47に投稿されたエントリーのページです。

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